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ツキノワグマと羅生門

お笑いライブの思い出などを書きたいです。

マシンガンズっていいよねという話

僕はマシンガンズという漫才師が大好きです。初めて二人の漫才を観たのはファンダンゴで放送していたM-1グランプリ2007二回戦の映像でした。チンピラみたいな二人組が荒々しく出てきて、めちゃくちゃな勢いでがなりまくる姿(確か二人がやっていた居酒屋バイトに関して愚痴るネタでした)に衝撃を受け「こういう漫才が観たかったんだ!」と思ったものです。

それから何年か後にお二人のトークライブを観に行って滝沢さんの「成人式で暴れる若者を警棒でしばきたい」、西堀さんの「恋したって事が、大人になってからすごくいい宝物になるんだよ…」という発言に深い感銘を受け、お二人が出演するライブを出来る範囲で観に行って楽しく過ごして参りました。そんな日々の中で、最近改めて「僕はマシンガンズが好きだな」と思わせる事がありましたので書いてみます。

まず先日行われた「エイトライブ」という太田プロの芸人8組がネタを2本ずつ披露するライブで、マシンガンズは「時事ネタ漫才をベースに滝沢さんボケ・西堀さんツッコミで、西堀さんの言う事を滝沢さんがひたすら一本調子で繰り返し相方を含めた会場中を困惑させる」という漫才をやっていました。
同じぐらいのキャリアのアルコ&ピースやトップリードが意欲的で思わず唸ってしまう様な漫才や安定感抜群のらしさ全開なコントを披露する中、狂った様に底無し沼を掘り進んでズブズブ埋まっていくマシンガンズの姿は忘れられないです。しかも2本目のネタも同系統の漫才で、どんな反応になるか解っててもやらなきゃいけない二人の心中は察するに余りあるものがありました。
勿論ウケるに越した事は無いし、僕も好きな芸人さんにはなるべくウケていて欲しいと思います。でも時々こういったクリーチャーみたいな漫才を目の当たりにすると、ウケたウケないとは別の所で「貴重な物を観られたぜ!」と酷く興奮してしまう自分がいるんです。

また、K-PRO10周年興行の1つとして行われた裏漫才5・コント5では、なんとコントを披露していました。設定はコンビニの面接で、明転するなり店長役の滝沢さんが「あー、コンビニの経営も楽じゃないなぁぁぁ!!!」と超棒読みの超大声で叫んでコントが始まります(滝沢さんは基本的にコント的な演技が出来ません)。どうなる事かと思ったんですが、最近は二人が所属する大型芸人ユニット「FKD48」の合同コント等でも滝沢さんの大根役者振りがイジられているという事もありこのツカミでちゃんと笑いが起こりまして…ホッとしました。
その後が衝撃的だったんですが、急に段ボールを被った人が現れて、西堀さんかと思いきや段ボールを脱ぐとトップリードの和賀さんだったという。ちゃんと西堀さんが事前に着ていた服を着せていたので客席皆が普通に驚いて「ヒャア~」という声がチラホラ聞こえまた。なんだこのイリュージョンみたいな下り、なんだこれ?
その後は普通に西堀さんが出てきてコンビニの面接コントが始まるんですが、そこからはほぼ波風立たず、スベりに限りなく近いそよ風が頬を撫でる数分間でした。結果として失速はしてしまいましたが、予想外のウケや想像もしていなかった仕掛けが観られて大満足でした。
ネタの後になんであんな事(段ボール)したのかと聞かれて、西堀さんは「ビックリさせたかった」と供述していました。滝沢さんも西堀さんも、これ本当によく言うんです。「ビックリさせたい」。色々なライブで二人がMCに「なんでそれ今言った(やった)んだよ」と注意される所を見ますが、これは二人がとにかく人を「ビックリさせたい」というモチベーションでライブに臨んでいるからなのです。そして僕は二人の突拍子も無い言動にビックリさせられるのがかなり好きです。

マシンガンズは同世代の同じぐらいの位置の芸人さん(個人的な考えですが、賞レース準決勝常連ぐらい)に比べて圧倒的に安定感に欠ける人達だと思います。急によく解らない漫才やってスベるのは日常茶飯事で、うしろシティのファンの方々の前で
滝沢「これどうしても言いたいんだよな…言っていい?ペニ○ンで突かれたい!」
西堀「おいやめろよ、初めてのお客さんの前でペ○スバンドとか言うの!」
とか言ってとんでもなく引かせるし、大喜利は基本的に不得手だし、モノボケコーナーでは野球帽被ってホーム○スの物真似とかするし。
あとコントを観ていて気付いたのですが、二人とも真っ当なボケ・ツッコミが苦手です。滝沢さんから気の利いたツッコミワードとかはあまり出ないし、西堀さんのボケは反応速度や言い回しのニュアンスで笑わせる物が多く、しっかりと設定のあるコントの枠組み内で観るとなんだかボヤけて見えてしまいます。

でも僕はそんなマシンガンズの不安定な所が大好きです。いつでもどこでも絶対にウケていたら、熱心に追い掛けようとは思わなかった。行き過ぎた下ネタで客席を引かせたかと思えば、一転してちょっとしたガヤがウケまくってその日の主役に躍り出る事もある。せっかく評判の良い形の漫才を作ったのに、すぐ飽きて全然違う事を始めてスベったりもする(いつかのエイトライブ、ネタ1本目でドッカンドッカンウケたのに意気揚々と出てきた2本目で死ぬほどスベった時は悶絶して笑いました)。
とかく一筋縄では行かない、毎回どうなるか全然予測出来ないから追い掛けたくなる、そんな所がファンを夢中にさせるのかなと思います。

そんな予測出来ない二人だからこそ、いつかポーンと並み居る強豪達をごぼう抜きしてTHE MANZAIとかで優勝してしまう…なんて奇跡を起こしてくれるんじゃないかと僕は本気で思っています。
あんなに台本の匂いがしなくてアドリブ性の高い、自然な掛け合いをハイスピードで見せられる人達はそういないです。本当にガッチリ噛み合った時は二人の人間が喋っているとは思えないほど淀みなく・かつ凄い熱量で掛け合いが進んで行き圧倒されます。あれだけキレながらもテンポを崩さず喋るというのはとても高度な技術なんだと思います。西堀さんはよく「俺達は面白くないのをスピードで誤魔化している」と言いますが、裏返せばそんな事を可能にする技術があるという事です。
また、二人が醸し出す年月を重ねた漫才師特有の渋みは本当に魅力的です。同世代の芸人の中でもああいった魅力を身に付けている人達は数少ないです。「おじさん臭い」と言ってしまえばそれまでですが。ダミ声で喚きながらズカズカとサンパチマイクに向かってくる様子は、フレッシュな芸人さんには無い風格・オーラがあります。二人の漫才を観ていると、浅草の寄席漫才の空気に太田プロの男臭さをミックスした様なこれぞ東京漫才といった趣を感じます。

「漫才は会話の妙だろ!」とは今をときめく三四郎小宮さんの名言ですが、マシンガンズは正にそこを見せてくれる漫才師です。中身の妙というよりは、掛け合いの妙。正当なボケ・ツッコミが出来ないのに確かに客席を満足させる漫才が出来るというのは、ここの能力が異常に発達しているからだと考えています。大喜利的なセンスは無いかもしれないけれど、その分心から思っている事を思い切りよく放ってくる、だからこそ客の心を動かす事が出来るんじゃないかなと。そして、そんな漫才が評価される時がいつか来るんじゃないかと僕は信じて止みません。評価されたってされなくたってマシンガンズを変わらず好きではいるんですが、やっぱりご贔屓の芸人さんの面白さは広く知られてたくさん褒められて欲しいというのが人情ですから。そんな時が来る事を期待しつつ、これからも二人の漫才をビックリしたり爆笑したりしながら追い掛けて行きたいと思います。

さて、そんな魅力溢れる漫才師マシンガンズが参加する興味深い催しが近々行われるのを皆さんはご存知でしょうか。その名も

太田プロ注目芸人と行く 初夏の赤城高原 バスツアー」

マシンガンズに加えトップリード・風藤松原アルコ&ピース・新宿カウボーイ・サイクロンZという豪華メンバーで行われる、この夏注目のイベントです。少しでも興味を持たれた方は是非とも参加して頂いて、マシンガンズの魅力をより深く知って下さいましたらファンの端くれとして嬉しいです。詳細はホームページをご覧下さい。→ http://www.jtbbwt.com/entertainmenttour/ohtapro-tour/index.php