ツキノワグマと羅生門

お笑いライブの思い出などを書きたいです。

K-PROっていいよねという話

お笑いライブ・イベント制作会社K-PROが設立10周年を迎えるという事で、本日5月21日から「K-PRO10周年記念一週間ぶっ通し興行!」が開催されます。自分がお笑いライブに通い出したきっかけの1つにこのK-PROライブがあるので、少し思い出を振り返ってみたいと思います。

僕が初めてK-PRO主催のライブに行ったのは2010年8月31日の『Simple Set LIVE#18』。出演者はタイムマシーン3号、トップリード、鬼ヶ島、ジンカーズ、カレー、ツィンテルでした。この日のお昼にキングオブコント決勝進出者の発表があり、客席も出演者も異様な熱気に包まれていた様な記憶があります。

余談ですが当時僕は三重県から月に2回、高速バスに乗ってお笑いライブを観に東京へ来ていました。とても楽しみにしていたキングオブコント準決勝に仕事の都合で行けず、半ばヤケクソでこのライブを観に行きました。

オープニングMCがトップリードと鬼ヶ島で、出てくるなり凄い勢いで準決勝の感想を捲し立てるおおかわらさん・野田さん・新妻さん(和田さんは主に微笑んでいた気がする)。多分4~5分以上は喋ってようやく一息ついた瞬間に、和賀さんが客席の方を向いて「今、キングオブコントの話をしていますよ」と一言。そういえばなんの事喋ってるか言ってなかったね!と笑う一同。この瞬間、ライブの楽しさに心をガッツリ掴まれた感覚になったのを今でも覚えています。

その後も鬼ヶ島のコント中に野田さんが「(キングオブコント)なんで落ちたんだぁぁぁぁ!!!!!」と突っ伏して絶叫したり、オープニングで決勝進出したテイで出てくるみたいな遊びをしていた時に叫んだ「We are キングオブコント!」をもう一度ぶちこんだりとめちゃくちゃに自由で面白くて、このコントも未だに思い出しては笑ってしまいます。

このライブが本当に楽しくて、以来お目当ての芸人さんがK-PROライブに出た時・他のライブの為の遠征の合間にK-PROライブがある時などはとりあえず行ってみる…ぐらいのペースで通っていました。関東近郊に移り住んだ今はその頃より少し行く数が増えたかなという感じです。

K-PROライブは地方遠征組・ライブ通い始め立ての人間にとって凄く有り難いライブだと思っていました。月に1~2回しかライブに行くチャンスが無いとなると、どうしてもライブ選びに失敗したくないと思ってしまいます(勿論関東に住んでいてもライブ選びに失敗はしたくないですが)。

K-PROライブにはライブを失敗させない工夫が随所になされています。前説の芸人さんがいるライブが多く、本番前に客席を暖めてくれたりしっかりと注意事項を説明してくれたりします。もぎりもスムーズですし、座席への誘導も丁寧にやって下さいます。

そして何より出演者にライブ界隈において評判の良い人達が集められており、バカスベりする組がまずいません。お笑いライブ鑑賞において個人的に結構高いハードルだなと思うのが、「知らない人達がスベっている時のいたたまれなさ」です。観続けている内にそういった空気には慣れていきましたが、ライブ通い出して暫くはこれがかなりしんどかったです。これを体感しないで済むのはかなり有り難かった…。

僕はK-PROに関してそこまで熱心な客という訳では無いですが、やっぱりこの会社が無かったらここまでお笑いライブを好きになってはいなかったと思います。だからと言ってK-PROだけあれば他のライブなんて無くていいという事ではないですし、得体の知れない地下ライブやアットホームな雰囲気の小さな事務所ライブ、芸人主催のワイワイガヤガヤしたライブにはそこにしか無い楽しさがあります(だから時々、K-PROを持ち上げたい余りに他のライブをくさしてしまっている人がいると少し悲しい気持ちになります)。

ただ、K-PROがお笑いライブ道のど真ん中をひた走っていると凄く安心します。安定感のある、いつ行っても間違いなく楽しい事が保証されている物があるというのはそのジャンルにおいてとても幸せな事だと思います。「いつかライブの価値をテレビより上にしてみせます!」とツイートしていたK-PRO主催の児島さん(https://twitter.com/kproa/status/448837689127620609)。そんな世の中になるまで、K-PROを含めた色んなお笑いライブに通い続けたいなぁとただの客は無責任に思っています。10周年本当におめでとうございます。

最後に、一時期全く出なくなっていたマシンガンズが最近やたら呼ばれる様になり、凄くウケたりしているのでとっても嬉しいです。K-PROの雰囲気とはちょっとずれている二人だと思いますが、これからもどうかライブに呼んで欲しいです。あのキラキラした客層に声の汚いおじさん達が毒づいてドカンとウケる光景は、何とも楽しいものですから。